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 ◆化学物質過敏症とは       網代太郎(運営委員/茨城県)
  身の回りにある化学物質に反応して、様々な症状が出る病気です。
 「普通」の人にとって有害と言われている量よりもはるかに少ない、超微量の化学物質に反応して
 しまいます。
 英語ではChemical Sensitivity(略してCS)と言います。
                                         「CSネット通信」 より

なぜこの病気になるの?

何かの化学物質を、呼吸や飲食、手に触れるなどによって一度に大量に体に取り込んだり、または、 微量だけれども長期間にわたって取り込んだ結果、この病気になる人がいます。しかし、患者と同じ物質を同じように取り込んでも、症状が出ない人もいます。例え話をすれば、人の体の中に化学物質を解毒するバケツのようなものがあって、人によってそのバケツの大きさがかなり違っているわけです。
 私たちの身の回りには、7万種以上と言われる化学物質があふれ返っていて、私たちは日常的に化学物質を自分の体に取り込んでしまっています。それらを解毒しきれず、化学物質が体内のバケツからあふれてしまった人が、この病気になるのだと考えることができましょう。
 また、一つの物質に対して過敏になると、他のいろいろな種類の化学物質に対しても次々と過敏になる傾向があります。これを「多種類化学物質過敏症」(Multiple Chemical Sensitivity,MCS)と言います。

どんな化学物質が悪いの?

 広い意味では、肉や野菜、木材など天然の物も「化学物質」です。しかし、この病気の原因になりやすいのは、私たちが普通に言う意味での化学物質、つまり石油などから人工的に合成した化学物質です。
 化学物質の中で、患者が特に苦痛を訴えることが多い物質は、農薬・除草剤、シロアリ駆除などの殺虫剤、パラジクロロベンゼンなどの防虫剤、新建材の接着剤などに含まれるホルムアルデヒド、水道水などの塩素、塩化ビニール、ドライクリーニングされた衣服、化粧品、芳香剤、ガス、タバコ、新聞・本などのインク、アルコール類、食品添加物などです。これらをはじめ、さまざまな化学物質が、この病気に関係しているとみられます。
 症状が進んでMCSになると、身の回りにある多くの化学物質にいちいち反応するので、通常の生活や仕事がほとんどできなくなる極めて深刻な患者も少なくありません。
 化学物質だけでなく、テレビなどから出る電磁波や、コタツの赤外線などでも具合が悪くなる患者の方もいらっしゃいます。

どんな症状が出るの?

 患者によって症状の種類や程度は様々ですが、体のあちこちに症状が出て、いわゆる不定愁訴(原因がはっきりしない体のいろいろな不調)と言われる症状になるのが特徴のようです。
 例としては、体のいろいろな部分への痛みや刺激、うつ、疲れやすい、集中力がなくなる、肩がこる、視力の低下、目眩、涙目、目が乾く、耳鳴り、鼻づまり、口の中が渇く、吐き気、便秘、下痢などです。

患者ってどれくらいいるの?

 決してめずらしい病気ではありません。アメリカでは既に10人にひとりがこの病気で、日本でもこれに近いレベルだと言われています。この病気がまだ十分に知られていないため、医師に他の病気だと診断されていたり、「どうも調子が悪いが原因がよくわからない」という潜在的な患者が多いと推測されます。

アレルギーとはどう違うの?

 化学物質過敏症はアレルギーの親戚のような病気です。違いはアレルギーが体の免疫機構の異常を伴う病気なのに対し、化学物質過敏症は自律神経の異常を伴う病気です。アレルギーの症状は、喘息など比較的はっきりしている場合が多いですが、化学物質過敏症は、自律神経失調症を中心とした不定愁訴が主な症状です。

適切な診断が受けられる?

 私たちが知る範囲では、北里研究所病院と南岡山病院、相模原病院に診断のための設備が整っています。残念ながら、この病気はまだ日本の行政機関や多くの医師によって認知されていません。他の病気として診断されてしまったり、無理解な医師からまともに相手にしてもらえない恐れもあります。こうした現状を何とか改善していきましょう。
現在、旭川市に一時転地住宅があり、2003年に中伊豆に転地療養施設を建設予定。

治療法ってあるの?

 治療法というよりも今のところ次のような対処法で体の状態を楽にすることができるとされています。

1)原因となっている化学物質を特定しその化学物質を身の回りから遠ざけて接触しないようにする。

2)
異物を解毒するのに必要なビタミンやミネラルを多くとる。

3)運動や入浴で汗をかき、化学物質を体外へ排出する。

患者の反応を引き起こす主な化学物質など

 ・建材(合板や塩ビ壁紙、防炎処理カーテン、トルエンキシレン等が含まれた塗料など)

 ・農薬(防虫剤、殺虫剤、シロアリ防除剤、畳の防虫剤、蚊取り線香、農薬を使用された食品など)

 ・芳香剤(トイレ用パラジクロロベンゼンなど)・香水、香料、整髪料

 ・たばこ

 ・ドライクリーニングされた衣類

 ・インク(本、新聞、マジックやサインペンなど)

 ・塩化ビニール、プラスティック

 ・食品添加物 ・塩素(水道消毒用など)

 ・合成洗剤

 ・香りの強い天然の木(ひば、ひのきなど)

 ・電磁波(家電、高圧線など)

 ・カビ
                                 (すべて個人差あり)